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乳幼児の皮膚に「とびひ」を起こす黄色ブドウ球菌の中に、抗生物質の効きにくい
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が増えていることを広島大の菅井基行教
授(細菌学)らが世界で初めて突き止め、アメリカ感染症学会誌最新号に発表した。
とびひはこれまで抗生物質がよく効くとされていた。重症型のとびひの治療に脅威
となる恐れもあり、菅井教授らは全国的な実態調査を始めた。
菅井教授と山口隆之特別研究員らは宮崎医大、国立感染症研究所などと協力して、
大阪府内の4病院でとびひの患者から採取された黄色ブドウ球菌88株の遺伝子を解
析。うち45株(51%)が通常の抗生物質を効かなくする遺伝子を持っていた。
とびひ特有の水疱(ほう)をつくる毒素の遺伝子が確認できた52株に限ると33
株(63%)が薬剤耐性。そのほとんどは遺伝子パターンから、もともと2つの株と
考えられた。同じタイプはその後、広島、愛媛、北海道でも見つかった。
MRSAは院内感染で問題になっているが、とびひを起こす黄色ブドウ球菌はMR
SAがなく、抗生物質ですぐ治ると言われてきた。しかし臨床医から近年、治りにく
いとびひが増えているという声が出ていた。
新型の菌は薬を高濃度にすれば効くが、放置すると強い耐性菌が出現する可能性が
高いという。また新生児がとびひの菌に感染すると、全身に水疱ができて入院が必要
な「SSSS」(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)という重症型になる。これも治療
困難になる恐れがあるという。
菅井教授は「抗生物質が効くかどうかを早く判断して、耐性なら薬をすぐ変えてた
たかないと、他の子どもにうつってどんどん広がる」と警告している。
(5月27日16:01)