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他人のたばこの煙(副流煙)を吸っている子供は、その量がごくわずかでも、読解力や計
算などの能力がわずかながら低下することが、米国のシンシナティ子供病院の約4400人
を対象にした調査で分かった。同病院の研究グループが6日、米国の小児科学会で発表し
た。
グループは、喫煙経験がなく、副流煙を吸う環境にある6歳から16歳までの子供、43
99人を対象に、たばこに含まれるニコチンが体内で分解されてできるコチニンという物質
の血中濃度を分析。さらに、米国で標準とされるテスト方法で、計算力、読解力、理論的思
考の能力などを測定。副流煙を吸っていない子供と比較した。
その結果、血中のコチニン濃度が高くなるほど、これらの能力の点数はわずかながら低く
なることが判明。コチニンの濃度が血液1ミリリットル中1ナノグラム(ナノは10億分の
1)以下という微量でも、点数の低下が確認された。
同1ナノグラムのコチニンは、1日にたばこを1箱程度吸う人と一緒に暮らしている子供
の血中濃度にほぼ等しいという。
研究グループのキンバリー・ヨルトン博士は「今回の結果は、子供をたばこの副流煙から
守るための対策が、いかに重要かを示すものだ」と指摘している。(ワシントン共同)
[毎日新聞5月7日] ( 2002-05-07-19:13 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20020508k0000m030055000c.html