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国内大手企業が産業廃棄物を肥料や土壌改良剤として再生し、農場やブドウ園、一般家庭の庭にまき散らしている――シドニー・モーニング・ヘラルド紙が、産廃再利用の規制の緩さに警鐘を鳴らしている。同紙は、以下のような具体例を挙げている。◇ニューサウスウェールズ(NSW)州ではBHPビリトンのポートケンブラ製鉄所から出る鉱滓(こうさい)を牧草地や畑にまいている◇西オーストラリア州では、アルミ精練所から出る放射性物質を牧畜場に廃棄している◇ビクトリア州と南オーストラリア州、クイーンズランド州では亜鉛精練所や発電所、セメント炉、自動車部品工場から出る廃棄物を肥料や土壌改良剤として再生している。
これらの産業廃棄物はしばしば、毒性のある物質のほか、ヒ素や水銀、クロム、鉛などの重金属を含んでいる。
しかし同紙によれば、各州政府当局は、リサイクルの名の下にこれらの行為を奨励しており、農家も安価な肥料として受け入れているという。
ただし、これらの行為は豪州では完全に合法。これは肥料についての全国的な規制が存在しないためだ。
幾つかの州の規制当局では、重金属が含まれた肥料は認めていないが、これを土壌改良剤として販売することはできる。
■人体への危険性は?
各州の環境省や農業省は、これらの再生された産業廃棄物は人体には無害と説明しているが、同紙によれば、当局が実際に試験を行うのはまれで、ほとんどが企業が提出したデータをそのまま信用している状態だという。
この問題について、NSW州農業省の土壌専門家であるコンヤーズ博士は、公の場で論議すべき時期に来ているとコメント。
企業らが、リサイクルした肥料や土壌改良剤のデータは明らかにしている一方で、含有されているはずの重金属には一切、言及していないことを疑問視している。
全国環境諮問フォーラム(NECF)のベル委員は、これらの廃棄物を取り締まる規制がないことが原因だと指摘。
環境保護団体トータル・エンバイロンメント・センターの広報担当者も、調査を受けていない産業廃棄物を農業に再利用するのは非常に危険だと語っている。(NNA)
[5月7日3時55分更新]