魚を食べる回数が多い人ほど、心筋梗塞(こうそく)などの心臓病になりにくいことが、米国の二つの大規模長期調査で確かめられた。ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)など、魚に多い不飽和脂肪酸には動脈硬化を防ぐ効果があるとされているが、それを裏付ける結果だ。
ハーバード大のグループは80年から、女性看護師約8万5000人の生活習慣を追跡調査。動脈硬化による心臓病にかかる率は、魚を食べる回数が月に1回未満の人たちが最も高かった。この人たちに比べて、月1〜3回なら21%、週1回なら29%、週2〜4回なら31%、週5回以上なら34%、それぞれリスクが減っていた。
生死にかかわるような重い心臓発作の危険率ではさらに差が大きく、週5回以上の人たちでは45%も危険率が低かった。
もう一方のボストンの婦人病院グループは82年以来、男性医師約2万2000人を追った。心臓発作で突然死する危険性は、魚を習慣的に食べる医師では81%も低かった。
DHAやEPAは、脂がのったマグロやブリなどに多く含まれる。食べる魚介類の種類から、魚特有の不飽和脂肪酸の摂取量を推定すると、摂取量が多いほど、効果が大きかった。
米医学会誌10日号とニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン11日号に論文が掲載された。
# ついでに「鯨」も食べよう。