現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
アメリカのムーディーズが「近く日本の国債の格付けを引き下げる」という観測が市場で広がっている。日本の国債の格付け、正確に言えば日本政府が円建てで発行する長期国債の格付けだ。現在は21段階あるうちの上から数えて4番目の「Aa3」。ムーディーズの格付けで見れば、先進7カ国中イタリアと並んで既に最下位にいる。
●Aa3以下で先進7カ国中ワースト1に
これが、仮に引き下げられれば先進国の後塵を拝することになる。その理由としては、デフレ経済の中で日本政府の債務負担が増加し、将来、財政状態が破綻状態に陥る可能性が高いというわけだ。それに、アメリカ政府自身ももイライラを隠さない小泉改革の遅れも懸念を強める結果につながっている。
国債の償還は、将来の税収で行うもの。したがって国内経済の成長力が回復しない限り、日本の財政は行き詰まる事が必然だという意味になる。こうした動きに対して、日本政府が恥も外聞も無く、日本の経済力から見て国債の格付けはすでに引き過ぎる水準にあると「抗議文」を送りつけている。
●「1段階でなく2段階引き下げ」の懸念も
そうした中で、金融当局では、格付けの引き下げを確実視する一方で、その引き下げる幅を警戒している。1段階なら問題はない。しかし、2段階引き下げられ「A2」となった場合、これと連動している4大メガバンクの格付けの引き下げが深刻な金融不安を招く可能性があるためだ。
●4大メガバンクに多大な影響〜一部金融機関が“投資不適格”判断に?
仮に国債が「A2」に引き下げられた場合、主要行の債務も格下げされ4メガバンクの債務の一部がジャンク化、つまり“投資不適格”と判断され、海外からの資金調達が困難になると予想されている。それだけではない、格下げをきっかけに債権市場が混乱、長期金利の上昇を引き起こせば、不況下の金利高という最悪の事態を招く。国民生活に深刻な影響を与えるだけでなく、国債を大量に保有している4大メガバンクの財務に与える影響は極めて甚大だ。
●ムーディーズ〜引き下げのタイミングはかる?
そうなれば、1度は回避できたと見られた金融危機が現実のものになる可能性が極めて高くなってくる。ムーディーズは、これまでもアメリカ政府の意向を受けて、政治的な動きを見せてきた。そのムーディーズが、いまのところ日本政府からの反論に対しても沈黙を続けている。じっと、引き下げのタイミングをはかっているかに見える。つまり、日本の金融の命運は、ムーディーズというアメリカ政府の代理人に握られていると言っても過言ではあるまい。まさしく当局は「黒船来航」のタイミングを息を呑んで見つめているようだ。
[東山恵 2002/05/10 18:58]