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景気が底入れしたことは、ほぼ間違いないが、回復に向かうかどうか、見通しがつかない。
世界の景気は上昇の波に乗っており、お陰で輸出が増えている。リストラ効果などもあって、企業の03年3月決算は増益になるのが確実だ。ほかにもチラホラ明るい兆しはある。
しかしデフレは止まらず、不良債権処理は遅れたままだ。需給ギャップは巨大で、大多数の中小企業は、不況が身にしみている。
欧米諸国や国際機関が、「日本だけが取り残される」と心配してくれるのをありがたいとも思わないで、国際会議で反論したVIPがいるというから、小泉内閣には経済オンチが多いと言われるわけだ。
金融政策は弾丸を撃ち尽くし、在来型公共事業の増額は「日本売り」を招く。円安政策も米国やアジアの反発が大きい。使える景気政策は税制しかないが、政府と自民党の二つの税調は、「それは税制をネジ曲げる」として、すぐには動きそうもない。
このまま今国会を終わって、年末の税制審議を経て来年から景気振興税制を実行に移すことになりそうだが、それでは間に合わない。
何となれば今回の米国の景気回復は、大方の予想より早く始まったが、4月以降、もう上昇速度が落ちている。設備投資は増える気配がなく、消費と住宅が尻すぼみになる恐れがあるので、景気回復期間は意外に短くて、来年上期にも山をつける可能性がある。だから税制を活用した景気対策の実施を、来年からとした場合は、間に合わないのだ。
株式市場は、これを読んでいるから、上値が重い。それに政局不安が重なったらどうなるか。愚図の集団になり下がった日本は、ドッグイヤーと言われる時代を、生き抜けるだろうか。(大三)