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内閣府経済社会総合研究所が9日発表した3月の景気動向指数(速報値)によると、景気の現状を示す一致指数が56・3%となり、景気判断の分かれ目となる50%を15か月ぶりに上回った。一致指数は4月も50%を超える見込みだ。政府は4月の月例経済報告でも「底入れに向けた動きが見られる」との認識を示したが、この判断が数字の上でも裏付けられたことで、長期低迷に陥っていた国内景気が底を打った公算が大きくなった。ただ、民間設備投資や、雇用情勢は厳しい局面が続いている。生産の改善も外需頼みの面が強く、今後、景気が上昇に向かうかどうかは流動的だ。
景気の「山」や「谷」に関しては、内閣府の景気動向指数研究会が、これからの推移なども踏まえて、今後、正式に判定するが、現時点では、内閣府は「景気は厳しい状況から変化しつつある」と判断している。
景気動向指数は、生産や消費、雇用など7―12の経済指標を3か月前と比べ、改善した場合をプラス、悪化した場合をマイナスとして、全体に占めるプラスの割合を表す。この中で、一致指数は今回発表された速報値段階では、八つの経済指標を基に算出されているが、このうち、鉱工業生産指数、百貨店販売額、所定外労働時間指数(製造業)など4指標がプラスとなった。
一方、現状の景気の動きよりも数か月先行する先行指数は、80・0%となり、3か月連続で50%を上回った。先行指数は、企業の在庫調整が進んだことから、鉱工業生産財在庫率指数、耐久消費財出荷指数など8指標がプラスとなった。
これに対し、景気の動きに半年から1年遅れる遅行指数は40・0%で、8か月連続で50%を割り込んでいる。法人税収入や製造業の常用雇用指数などでマイナスが続いていることが影響しており、雇用面などで日本経済が依然として、不安要因を抱えていることを示した。
(5月9日23:30)