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「金融庁が“合併・再編”のターゲットとしてとらえているのは、何も地銀、第二地銀だけではありません。信用金庫業界に対してもわれわれの意向を無視する形で強引とも思えるプレッシャーをかけてきているのが実情なのです」(北海道に本店を置く信金理事長)
昨晩、この理事長から電話をいただいた。5月8日付の当コラムを読んでの電話であったようだ。
「実は、今年1月から2月にかけて北海道財務局が、北海道内のすべての信用金庫を対象に、“トップヒアリング”を実施したのです。この“トップヒアリング”の目的は、道内信金に合併を促進させることにあったようです…」(前述の理事長)
財務局幹部は、各信金の理事長に対してズバリこう聞いてきたという。
「他信金との合併については、どの様に考えているのか−」
この“質問”に対して、前述の理事長はこう答えたという。
「確かに、近隣他信金とはコンピューターシステムの共同運営など協力関係にはある。しかしそれがそのまま合併に結びつくかどうかは別問題。それぞれは、これまでの歴史的経緯、地域経済とのかかわりなど、数多くの個別の事情を抱えている。今すぐに一足飛びに合併を論議するのは、少々無理がある−」
こうした“物言い”に対して、財務局幹部は激しい口調でこう言い放ったという。
「だったら、あなた(筆者注、信金理事長のこと)は、預金者に対してすべての責任を負えるのか。そうしたことを考えていないのであれば、経営者失格だ」
前述の信金理事長がこう言う。
「財務局幹部の言いぶりは、まさに“罵倒”そのもの。当信金の自己資本比率は、4%を大きく上回っているのが実情で、行政当局から経営介入を招くいわれはない−−」
こうした“やりとり”を見る限り、4月1日の“ペイオフ解禁”を受けて、金融庁の“アセリ”は相当なものとなってきている、といっていいだろう。
関西地区に本店を置く信金の理事長が言う。
「そうした行政当局による、信金経営に対する“不当介入”は、何も北海道地区だけの問題ではない。全国各地で発生している現象だ。しかも、“彼ら”のまさに鈴木宗男的な強圧的な物言いは、各地でトラブルを起こしているのが実情なのです−−」
まさに、信金業界に代表される中小金融機関の金融庁に対する不信感は、まさにピークに達しつつある、といっていいだろう。
「合併して規模が大きくなったからといって、決して経営内容が健全になるわけではない。そうした基本的なことが金融庁にはわかっていない」(前述の信金理事長)
金融庁がこれまで中小金融機関に対してとってきた行為は、まさに不当な経営介入以外の何ものでもない。
金融庁には、猛省を促したい。