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「当面の焦点は、山形県、福島県、東京都に本店を置く地銀、第2地銀ということになるだろう」
金融庁関係者がこう言ってみせる。
新年度に入って、金融庁が地銀、第2地銀などの地域金融機関の再編に本格的に取り組み始めようとしている。
金融関係者がひそかに注目したのが、去る4月17日に金融庁が主催する形で開催された「全国財務局長会議」だ。この会議には、柳沢伯夫金融担当相、森昭治金融庁長官をはじめ、全国10財務局長が出席した。
改めて説明するまでもないと思うが、この財務局とは、金融庁の出先機関という位置付けだ。
「この会議の中で、財務局長サイドから金融庁に対して、『地域金融機関の合併・再編について、どのようにとらえているのか』という質問がなされたのです。これに対して金融庁は『今後、ぜひとも検討していくべき課題だ』という形で答えたのです。こうしたやりとりから考えても、金融庁中枢が、地域金融機関の合併・再編に強い関心を持っていることは間違いないでしょう」(前述の金融庁関係者)
そして、この財務局長会議が開催されたわずか2日後となる4月19日には、西日本銀行と福岡シティ銀行がそれぞれ臨時株主総会を開催し、2003年4月に持ち株会
「この統合劇にも金融庁の強い意向が働いているとみていいだろう。金融庁サイドは、間違いなく、“1県2行主義”を推し進めようとしている」(大手地銀首脳)
そして金融庁が注目している地域というのが、冒頭のコメントにもあるように、山形県、福島県、東京都だというのだ。
山形県下に本店を置く地域銀行としては、荘内銀行(本店・鶴岡市)、山形銀行(山形市)、山形しあわせ銀行(同)、殖産銀行(同)の4行があり、福島県下には、東邦銀行(福島市)、福島銀行(同)、大東銀行(郡山市)の3行が、東京都下には、東京都民銀行(港区)、わかしお銀行(千代田区)、東日本銀行(中央区)、東京スター銀行(港区)、八千代銀行(新宿区)の5行がそれぞれ営業している。
「合併・再編という点では、次の焦点となってくるのは、やはり東京地区でしょう。実は金融庁は東京地区に本店を置くA銀行の経営動向にひそかに注目しているのです。はっきり言ってしまえば、金融庁としてはA銀行の経営内容に不安感を持っているのです…」(金融庁関係者)
一部金融関係者の間では、「A銀行が、東京都の公金運用先から除外された」という情報が根強く流れていることも事実だ。
つまりA銀行を巡る合併論議は、ポジティブな意味での合併・再編というよりも、A銀行救済という色合が強い、と言っていいだろう。
「果たして、A銀行処理という問題に対して金融庁がどのような形で動いてくるのか、業界関係者の注目が集まりつつあるといえるでしょう」(大手地銀幹部)
今後、“東京地区”には要注目だ。