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生保大手の朝日生命保険と三井生命保険は7日、突発的な大災害などに備えた準備金を02年3月期決算で取り崩す方針を決めた。株式評価損などを埋めて当面の財務を改善するためで、災害準備金を目的外で取り崩すのは異例。取り崩し額は、朝日が約900億円ある準備金のほぼ全額、三井も数百億円規模となる。約4000億円の株式含み損を処理する朝日生命は、生保大手で初の経常赤字も計上する。
両社が取り崩すのは、保険業法に基づく「危険準備金1号」で、大災害や伝染病で死亡率が急上昇した場合に備えた積立金。金利変動に備えた同2号や、株価暴落に対応した価格変動準備金と違い、究極の保険リスクをにらんだ「最後の砦(とりで)」(生保大手幹部)とされている。
このため、通常の景気低迷や低金利による財務悪化の際も、災害準備金の「取り崩し順位」は最後となる。両社は価格変動準備金などをほぼ全額取り崩したうえで取り崩す見込みだ。
内部留保である各準備金の取り崩しは、保険金の支払い能力を示す「ソルベンシーマージン比率」の下落につながる。この比率は生保の健全性の目安となるため、両社ともすでに、株式売却などで比率算定の分母にあたるリスクの度合いを減らしたり、株式会社の資本金に相当する基金を増額したりした。この結果、200%以上が「安全圏」とされる同比率は、昨年9月末の400%台から大きく下がることはない、とみられる。
朝日生命の経常赤字は数百億円にのぼる見通しだが、不動産売却益の900億円などの特別利益をひねり出し、当期損益は黒字となる。