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マンション建設最大手の専業ゼネコン、長谷工コーポレーション<1808>の再建策がようやくまとまった。大和銀行など主要取引行から債務の株式化(デッド・エクィティ・スワップ)を活用した総額1500億円の金融支援を受けるとともに、2003年3月期中には99%の大幅減資に踏み切る。支援資金と減資で、早けれ3年後には累積損失も一掃、復配も視野に入る」(同社幹部)としているが、事実上2度目の債権放棄に市場は「先行き不透明」と不信感を強めている。
●法的処理並みの大幅減資
長谷工の再建計画で最後まで注目を集めたのが減資の割合。当初から「50%は超える思い切った割合になるのではないか」(大手証券アナリスト)との憶測は飛び交っていたが、蓋をあけてみれば法的処理の100%に限りなく近い99%。額面がなくなったため、理論上は株主の損は生じないことになるが、それでも99%とは「あまりにも株主軽視」との批判が相次いでいる。
販売用不動産に加え固定資産の含み損約2000億円の処理を一気に断行、2002年3月期で最終損益(単体)が1610億円の赤字(前期は213億円の赤字)となり、915億円(同)の債務超過に転落する事情があるにはある。ただ、539億円(2002年3月期)の資本金のうち534億円を欠損金処理に振り向ける荒療治には「紙屑になるよりマシだがあまりに身勝手」との声は高まる一方だ。
●見えない先行き
長谷工は今年3月、大和銀行など主取引行から総額1500億円の債務株式化を受けることで合意、2003年3月期中には実行される見通し。しかし、これは金融支援としては2度目のことであり、債務から相当金額を資本金と資本準備金に振り替える同装置は「事実上の債権放棄」と言っていい内容だ。1度目は1999年5月に合意、総額で3546億円の債務免除を受けたが、2001年3月期までこの債務免除益で食いつないできた長谷工は、再びこの金融支援による恩恵で経常黒字を確保することになる。
ただ、本業のマンション事業と言えばデフレスパイラルの逆風下、消費の手控えが進行、先細りは避けられそうもない。合わせて5000億円にもなる金融支援が実を結ぶのか、その行方はなお不透明といえよう。
(日向 陽太郎)
・「金融再生最前線」〜経営責任なき債務免除と仕組まれた支援劇
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200203/14/20020314103515_16.shtml