★阿修羅♪ ★阿修羅♪ |
|
東京三菱銀行が、5000億円規模の不良債権(元本ベース)を、平成14年度中に整理回収機構(RCC)に売却する方針を固めたことが明らかになった。大手行の中でも“勝ち組”とされる東京三菱銀の決断に、他行も追随を迫られそうだ。
6日付の毎日新聞が報じた。昨年度、大手行全体でRCCへ売却された不良債権の額は2036億円だったが、東京三菱1行だけでその2.5倍の規模を売却することになる。
東京三菱銀は13年9月末の時点で3兆5500億円の不良債権を抱えていたが、今年度中に5000億円の不良債権処理損を計上し、「大口」の不良債権処理はメドがついたとしている。さらにRCCへの売却を増やすことで、処理を一段と加速させる。
RCCは11年に発足し、公的資金で銀行から不良債権を買い取る業務を開始。当初は1年で数兆円規模の買い取りを見込んでいたが、買い取った債権の価値がさらに目減りして新たな損失が発生し、国民負担が拡大してしまうことを回避するため、購入価格がきわめて低く抑えられ、銀行は制度活用に二の足を踏んでいた。
債権を売却された企業にとっても、“危ない企業”とみなされかねないなど深刻なイメージダウンを避けられないといった事情もあり、13年度までにRCCが買い取った債権は元本ベースで1兆3035億円。実際の買い取り価格は元本のわずか4%ほどの549億円にとどまっていた。
「破綻(はたん)懸念先以下の不良債権を3年以内に最終処理する」との“国際公約”を達成したい金融庁は、今年1月には金融再生法を改正し、債権買い取り額を時価に引き上げたほか、「企業再生本部」を設けて再建機能も充実させるなど、銀行にとっても売却しやすい環境整備を進めていた。
他の大手金融グループもRCCへの債権売却を拡大する可能性が大きく、不良債権処理が一気に進展することも期待できる。
しかし、債権回収や企業再建の不調により巨額の損失が出れば国民の血税で穴埋めすることとなり、「形を変えた公的資金注入」との批判があらためてクローズアップされる恐れもある。