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7日の東京外国為替市場では、ドル・円相場は1ドル=126円台後半と約2カ月ぶりの安値を更新。米国の景気回復期待の後退を材料にしたドル安基調に一向に変化が見えないことから、日本の財務省は一段の円高阻止の姿勢を市場に向けて強く打ち出し始めている。
財務省の黒田東彦財務官は7日午前、「市場の状況に応じて対応を取る用意ある」と発言。一段の円高進行に対しては円売り介入も辞さないとの強い姿勢を示し円買いに自重を促した。しかし、市場が公式発言以上に警戒しているのは2日夕に財務省が発した円高阻止に向けた決意表明だ。
市場関係者によると、財務省側は1ドル=127円台への円高・ドル安進行に対し強い不快感を示し、一段の円買い進行に対しては、円売り介入の実施もためらわないとの方針を伝え、市場に蔓延し始めた「介入は125円割れまでないのではないか」との観測の払しょくにつとめたようだ。
このため、2日の海外市場では一時1ドル=127円台前半から128円台前半まで急反発。財務省が昨年12月にも同様の電話作戦で円安誘導に成功した経緯があるだけに、市場では当局の意向に逆らうのは得策ではないとの判断が働いたもよう。大型連休明けとなる7日の東京市場でも、ドル売り優勢ながら126 円台後半からの円買いは躊躇された。
東京三菱銀行の深谷幸司チーフアナリストは、米国経済に対する不安感でドル全面安となる展開も考えられないことではないとしながらも、「連休前に、本邦通貨当局が円高警戒のトーンを強めたこともあって、ドルの下落ピッチは落ちている」と指摘。今後の展開については、「3月初旬以降堅調に推移してきた日本株下落とともに自動調節機能が働き、ドル安・円高にブレーキがかかる」とみている。
ただ、「この水準で介入を実施して再び円安が進行した時に財務省はどうするのか。125円より円高、135円より円安のいずれもが容認されないというのを市場が受け入れるかどうか」(みずほコーポレート銀行国際為替部為替市場第3チーム・渡辺秀典次長)との声も聞かれ、実際に介入が行われた場合、素直に円高に歯止めが掛かり、直ちにドル高方向に転じるかどうかには懐疑的な見方もある。