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東京三菱銀行は5日までに、不良債権の最終処理を加速するため、整理回収機構(RCC)に対し、02年度中に元本ベースで5000億円規模を売却する方針を固めた。01年度の売却額は大手行全体で2036億円にとどまっており、東京三菱だけで昨年度の大手行の2・5倍になる。他の金融グループも追随する見通しで、不良債権の最終処理が大きく進展する可能性もある。
5000億円の債権はRCCへの直接売却のほか、入札方式も検討する。東京三菱の不良債権残高は、約3兆5500億円(01年9月末)で、RCCへの売却が約15%を占めることになる。
RCCは、破たん金融機関だけでなく、健全な金融機関からも不良債権を買い取っているが、国民負担の回避を公約に掲げ、債権の購入価格は極めて低い。99〜01年度にRCCが健全金融機関から買い取った債権元本1兆3035億円に対し、買い取り価格(時価)は549億円と元本の4%に過ぎなかった。
また、RCCに債権を売却されると、その企業が受けるマイナスイメージは決定的で、RCCへの銀行の債権売却は進んでいない。
こうした状況を打開するため、今年1月には金融再生法が改正され、債権の買い取り価格が時価に引き上げられた。併せて、企業再生本部を新設し、再建機能を拡充するなど、RCCの「使い勝手」が向上した。
金融庁が、破たん懸念先以下の不良債権を1年以内に5割処理する方針を打ち出したこともあり、RCCが積極的に活用される条件が整いつつある。
不良債権の総資産に占める比率が高くなれば財務内容が悪化し、銀行の仲介機能の低下につながる。東京三菱銀がリードする形でRCCが積極活用され、不良債権処理に弾みがつけば、景気回復の阻害要因を取り除くことも期待できそうだ。【藤好陽太郎】