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経済危機のアルゼンチンで、銀行が業務を再開してほぼ1週間がすぎた。通貨ペソの対ドル相場は1ドル=3ペソ前後で小康状態だが、市場は国際通貨基金(IMF)の要求に沿った政策を注視している。具体策を求めるペソ売りが、じわりと進んでいる。
ブエノスアイレスの金融街では、ヤミの両替商が繁盛している。週末にかけてペソ相場が下落し、ドルを買い求める人が増えているためだ。
ペソ相場は、銀行が再開した直後は1ドル=2.9ペソ程度の落ち着いた取引だった。だが、経済対策をめぐるドゥアルデ政権と議会との調整が難航していると伝えられると、3日には1ドル=3.15ペソ前後にまで下落した。金融関係者は「次週末にかけて、政府がどこまで具体策を打ち出せるかが焦点」とみる。
ドゥアルデ大統領は4月24日、IMFの要請に沿って財政赤字削減など14項目の基本対策を発表済みで、市場はその具体化を催促している。
対策のカギは、破産法の改正と経済破壊法の撤廃だ。現行の破産法は債務者保護の性格が強いため、IMFは「投資を妨げる」と指摘している。経済破壊法は、預金の引き出しを拒んだ銀行幹部を逮捕する根拠になっている法律で、銀行側の不満が強い。
この2点をめぐる議会との調整に手間取り、具体策の発表は次週に持ち越された。3日にはアタナソフ労相の首相起用が発表されたが、地元メディアは「本命の州知事が就任を拒否した」と報じるなど、政権基盤の弱体化がうかがえる。国際的な圧力と、国内の反発との間で、アルゼンチン経済の行方はなお予断を許さない状況だ。
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