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厚生労働省は3日、サラリーマンなどが加入する厚生年金制度に、加入時からの納付実績を点数で示す「ポイント制」を導入する方針を固めた。
厚生年金の加入者は給与の多寡に応じて保険料を支払うが、これまでは退職直前まで受給額がわからなかった。ポイント制に改めて簡単に年金額を計算できるようにするとともに、個人の持ち点を通知することも検討している。
ポイント制は、保険料の納付実績を点数化して毎年加算していく考え方だ。基準となる平均賃金を「1」とし、同じ水準で保険料を20年間払った場合、持ち点を「20」とする仕組みが検討されている。
例えば、給与が平均賃金の7割なら「0・7」、2倍なら「2」として計算し、持ち点に1点当たりの単価を掛け合わせれば、自分の年金額が簡単に把握できるようになる。
公的年金では、自営業者らを対象とした国民年金の保険料が定額なのに対し、厚生年金は支払った保険料の貢献度が年金額に反映される仕組みになっている。ただ、過去の給与を現在の価値に換算して再評価するなど、年金額の計算式が複雑なうえ、受給額を照会できるのは原則58歳以上のため、「老後の人生設計が立てにくい」などと批判されていた。
同省はまず、受給額を照会できる年齢を引き下げる方針だが、経済財政諮問会議からも個人単位の給付と負担を明確にする「社会保障個人会計(仮称)」の具体化を求められていることを受け、2004年度の年金制度改正でポイント制への転換を図る。
コンピューター・システムの変更作業が必要となるため、実際にポイント制を始めるのはさらに数年後となる見通しだ。
すでにポイント制を導入しているドイツでは原則として27歳以上の加入者に毎年、獲得ポイント数を通知していることから、日本も同様の情報提供サービスの実現を目指し、公的年金への信頼回復を図りたい考えだ。
(5月4日03:27)