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上図は、米国の株価を商品価格で割った数値を時系列でグラフにしたものである。株式は代表的な金融資産であり、貴金属や農産物など商品は実物資産そのものなので、上図は金融資産と実物資産との相対価格であると見なすことが出来る。グラフが上向き基調にあるときは金融資産(株価)が実物資産(商品)に対して優位にあることを示すが、過去130年間のデータを検証すると、金融資産優位の時代はいずれも20年前後で終了し、その後は実物資産に資金がシフトしていくパターンが読みとれる。
ちなみに現在は、第2次オイルショック(1979年)後にスタートした第4次「金融資産優位の時代」が1999年に終了し、「実物資産(商品)優位の時代」に移行する段階であるようにも見える。
このところ、NYダウが1万ドルを割り込むなどパッとしない状況が続いているのに対し、長らく低迷が続いていた金は300ドルの大台を回復し、原油価格も急騰するなど、株価と商品相場では明暗を分けている。これは中東情勢の悪化に伴う一時的な現象に過ぎないとの見方が大勢を占めるが、上述の長期サイクルに従えば、金融資産(株価)から実物資産(商品)への資金シフトが本格化しつつあるとも考えられる。
もしそうならば、年金基金をはじめとする機関投資家は、従来のような内外債券、株式といった金融資産への投資のみならず、金(代替品としての金鉱株を含む)や不動産など実物資産にも資産を分散する視点があっても良いのではないだろうか。
(注)株価はS&P指数、商品価格は米国の銀、とうもろこし、綿花の幾何平均データを用いている。こうした商品は、戦前は金本位制のため銀が貴金属の指標銘柄であったこと、とうもろこし、綿花はデータの連続性等を考慮のうえ選択している。従って、実物資産データとして他の商品を選択するならば、グラフの形状は多少異なってくる。