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日興コーディアルグループは、経営破たんしたエンロンの債券を組み入れて元本割れしたMMF(マネー・マネジメント・ファンド)と短期公社債投信(チャンス)について、6月上旬までに約 4500億円を全額繰り上げ償還する。2日の投資家説明会で、金子昌資社長が明らかにした。
これらの投信の預かり資産残高は、MMFが2002年3月末で約850億円(2001年3月末は約1兆7300億円)、チャンスが約3700億円(同じく約1兆 4300億円)。エンロン破たんの影響で解約・資金流出が続き、全体の残高は1年前に比べ85%も減少した。MMFだけでみると、95%も落ち込んだ。MMFの運用期間は無期限、チャンスの償還期限は2006年中に設定されている。
全額繰り上げ償還が正式に決まったことについて、投資家説明会に参加したニッセイアセットマネジメントの日向雄士シニア・アナリストは「(エンロンショックで)日興は顧客の信用を失った」と述べたうえで、「しかし、手数料を稼げないもの(MMFやチャンスなどの投信)を捨てるということは、日興の今後にとってはポジティブ」との見方を示した。
チャンスは5月末に、MMFは6月上旬に、それぞれ全額償還される予定。投信を保有する個人投資家は、MMFだけでも、現時点で少なくとも約40万人に上る見通し。繰り上げ償還に際しては、投信の保有者に対して、これまでに異議申し立てをするかどうか意見募集したが、異議が過半数を超えなかったため、今回の方針が正式に決まった。
同グループの2002年3月期第4四半期(1−3月)決算は、連結純損益が 367億円の赤字だった。最終赤字は3四半期連続。通期でも連結純損益は663億円の赤字だった。MMFの元本割れによって顧客離れが進み、手数料収入は1976 億円と、前期比で30.5%も減少した。
日興コーディアルグループの2日終値は、前日比3円(0.52%)安の575 円で取引を終了した。