金融庁は１日、大手銀行の不良債権処理を促進させるため、年次別に処理目標を定めた「５割８割ルール」を達成できなかった銀行に対し、銀行法に基づく業務改善命令を発動する方針を明らかにした。３年以内の最終処理という目標を達成するには、法的な強制力が必要と判断した。決算期ごとに処理の進み具合をチェックする。
特別検査の結果を４月に公表した際、金融庁は主要行に対し、破綻（はたん）懸念先以下に自己査定した不良債権について、３年以内の全額処理のために、原則として「１年以内に５割」「２年以内に８割」を処理するように要請していた。
今回の方針は、このルールに行政処分を加えて事実上強制するもの。９月と３月の決算期ごとに進み具合を報告させ、ルール通り処理が進んでいなければ、整理回収機構（ＲＣＣ）への売却か、信託方式による証券化のいずれかの方法で計画を達成するよう促す。それでも達成できない状態が続く場合は、原因究明や処理促進を求める業務改善命令を出す。
金融庁が強硬な姿勢に出るのは、景気低迷の長期化やデフレの進行で新たな不良債権が増え、時間をかけていると不良債権の残高が一向に減らないことへのいら立ちが背景にある。(06:31)

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