★阿修羅♪ ★阿修羅♪ |
|
みずほのシステム障害は邦銀の事務管理能力は高い、という国際評価にも打撃を与えた。国債の格下げや不良債権処理の不徹底に対する海外からの批判とも重なってのことである。せっかくの国民の資質や経済、技術のポテンシャルが生かせないのは無念なことで、国としての立て直しが必要だ、と痛感する。
折も折、その改革の軸となるべき政治が混乱の極みである。政・官のあしき癒着、あっせん利得の問題、リーダーのスキャンダルなどが一気に浮上している。これらを見れば誰もが失望し、「統治能力」さえ疑いたくなる。だからこそ、この事態をどう受けとめるかは日本の未来にとって決定的に重要である。
呼びかけられているのは、「惰眠からの覚せい」である。経済繁栄のストックを食いつぶし続けている現在の所得や生活については、私たちがそれに見合った働きをしていない実態をしっかり直視する必要がある。国民が国から受ける利益が、国に対する負担よりも格段に大きいような状態を続けるのが、国民にとって良いことででもあるような考え方が、国民から自律心や挑戦の気概を奪って依存心を高め、活力を下げている。そこにメスを入れるのはきびしいことだが、早いに越したことはない。
また、政治にお金がかかり過ぎること、政治家が利権の誘惑に乗って踏み外すことに対しても、根本療法が必要だろう。中選挙区制の方が良いなら思い切って改めれば良い。また、企業からの政治献金を悪と決めつけて、透明なルールによる献金の仕組みまで圧殺することが本当に良いのかどうか。現実を見れば答えはNOなのではないか。統治能力の回復のためには政治と経済界と行政の望ましい協同を再構築する必要がある。その視点も加えた青写真をつくることが急務である。(猷)