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【ニューヨーク1日=坂本裕寿】
1―3月期の決算発表がピークを迎えた米主要企業の営業利益は前年同期に比べて約1割減少し、5・四半期連続で前年実績を下回った模様だ。昨年10―12月期より減益率は大幅に圧縮し、米同時テロ以降落ち込んだ企業収益に底入れ感が広がっているが、航空、ハイテク、エネルギーなど大幅減益が続く業界もあり、回復テンポがずれ込む懸念も出ている。
米調査会社ファーストコールの集計によると、前週末までに主要500社の77%に当たる384社が決算発表し、1―3月期の全体の営業利益率は、10―12月期の前年同期比21・5%減より改善したものの、同11・7%減となった。
業種別で最も収益悪化が深刻なのは、テロ後の顧客減が回復していない航空業界を含む輸送業界だった。
最大手アメリカン航空を傘下に持つAMRの最終利益は5億7500万ドルの赤字、2位のユナイテッド航空の持ち株会社UALも5億1000万ドルの赤字を計上するなど、大手6社全社が赤字決算となった。
ハイテク企業は全体で同30%の減益だ。マイクロソフトが家庭用ゲーム機の販売増などで11%の増益を確保したが、IBMが同32%の大幅減益、サンマイクロシステムズが4期連続赤字など収益回復は途上にある。
エネルギー業界も全体で同67%の減益で、石油大手シェブロンテキサコは原油需要の低迷などで同70%の大幅減益に落ち込んだ。
一方、収益に回復の兆しが見えるのが低金利を追い風にした金融業界で、シティグループ(前年同期比37%増)、バンク・オブ・アメリカ(同17%増)、ワコビア(同55%増)などと軒並み増益を記録した。
底堅い個人消費を背景に消費関連、医薬品などのヘルスケアもそれぞれ全体で前年同期比7%の増益と復調している。
主要500社の4―6月期の見通しは同7・4%増と増益に転じ、続く7―9月期には増益率が同27・8%まで伸びると予想されている。しかし、原油高や堅調な個人消費の腰折れ懸念、設備投資の低迷などの不安要因も指摘され、まだ予断を許さない状況のようだ。
(5月1日23:39)