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日本国債の格付けを先進7カ国の中で最低ランクに引き下げた欧米の格付け会社3社に対し、財務省が反論の意見書を送り付け、初めて噛み付いた。このままでは、アフリカのボツワナなど途上国よりも下位にランクされる可能性まで出てきたため、ついに堪忍袋の尾が切れたようだ。もとっも、格付けの妥当性はともかく、各社が格下げ理由としてあげている不良債権処理や構造改革の遅れは的を射ているだけに、反論が聞き入れられることはなさそうだ。
意見書を送り付けたのは、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチの3社。
ムーディーズが昨年12月、日本国債を先進7カ国中最低に引き下げたのに続き、先月15日にはS&Pも最低に引き下げた。フィッツは7カ国中6番目。しかも、ムーディーズは、さらに最大で2ランク引き下げると言明してる。そうなれば東欧や南米、アフリカの一部途上国よりも下位となる。
金融市場では、連休明けにもムーディーズの格下げ発表が行われるとの観測が浮上。「途上国以下ともなれば、欧米の大口機関投資家はこぞって日本国債を運用対象から外してくる。これにヘッジファンドなどの投機的な売りが加わり、国債の大暴落が起きる」(金融筋)との“5月危機説”もささやかれている。
これまでも、旧日本長期信用銀行(長銀)やマイカルなどが、格付け会社による格下げが一因となって破綻に追い込まれ、経済危機へと発展した経緯もあり、「民間会社が勝手にやっていること」と黙殺してきた財務省としても放置できないと判断したようだ。
もっとも、財務省と格付け会社の主張はまったくの平行線。財務省は「日本は世界最大の貯蓄超過国で、経常黒字、外貨準備高も世界最高で、デフォルト(債務不履行)はあり得ない」と主張。これに対し、格付け会社は不良債権処理の遅れによる金融システムの脆弱(ぜいじゃく)さを最大の理由にあげる。
「象の頭数が世界1という以外、取りたてた産業も資源もないボツワナ以下というのは確かにおかしな話だが、不良債権処理は先送りの連続で、小泉首相が掲げる構造改革も一向に進展していないのも事実」(民間エコノミスト)。
財務省の反論も効果は期待できそうにない。