住友生命保険、安田生命保険、朝日生命保険、三井生命保険 の大手生保4社が2002年3月期の決算で、価格変動準備金など の内部留保を取り崩す見通しとなった。取り崩し額は4社合計で 3000億―4000億円になる見通し。株価の下落で膨らんだ有価証 券の評価損を穴埋めするのが目的だが、準備金の取り崩しは異例で、生保の厳し い経営環境があらためて浮き彫りとなった。
生保4社が取り崩すのは株価の大幅下落や大規模な自然災害の発生などに備え て積んでいる価格変動準備金と危険準備金。2001年度は日経平均株価が前の年度 に比べ約15%下がるなど運用環境が悪化。契約者に約束した利回り(予定利率)に 運用実績が届かない「逆ザヤ」が高水準になったほか、多額の有価証券評価損や 売却損が発生したため、取り崩した準備金で穴埋めする。