みずほフィナンシャルグループのシステム障害で、4月1日分の口座振り 替えを依頼した一部の企業などのデータが消失・棄損していることが、27 日分かった。このため、みずほ銀行の口座から、料金を正しく引き落とし たかどうか、いまだに判定できないケースがあり、その数は数千件に上る とみられる。最大250万件に達した振り替えの遅れについて、みずほは1 8日、事実上、処理が終了したと発表していたが、実際は依然として未処理分が残っていた。
残っているのは、データを処理したかどうか分からない▽間違ってデータを消した▽一部を処理した段階で残りのデータが消えた――などのケース という。
みずほ銀行は、振り替え依頼企業などと連絡を取って請求料金や引き 落とし口座などを確認しているが、一部の作業が難航しているという。確認 出来次第、請求料金を仮払いしたり、翌月以降に先送りするなど対応策を取っている。
振り替えを依頼しているのは企業、地方公共団体、マンション管理組合 など多岐にわたり、中には数件と極めて少ないケースもある。みずほは、 棄損したデータについては顧客に返却したとしているが、依頼側が確認に 手間取り、処理が完全に終わるまでにはなお時間がかかりそうだ。
みずほは18日に「引き落とし処理の確定していない13万件は、処理を 終了した。エラー等については顧客と内容の確認など個別に相談している」と発表。口座番号が違うなど、データの不備が原因でエラーが出ている ものについては「顧客と相談している」と説明したが、データの消失などは 公表していなかった。これについて、みずほホールディングス広報部は「その時点では、詳細を十分把握できていなかった」と説明している。
1日の口座振り替えの混乱は、システムの不具合に加え、委託企業が みずほ銀行に持ち込んだデータの銀行コードや口座番号を間違っていたり、データの仕様が異なっていたことから、引き落とし処理に異常が発生。 すでに引き落とし済みのデータを再度、コンピューターで処理して、二重引 き落としするミスなども発生した。