朝日生命保険は2002年3月期決算で経常損益が600億―700億円の赤字になる見通しだ。大手生保で経常赤字は初めて。財務体質を改善するため保有株式の含み損を4000億円強処理した。株式会社の最終損益に当たる当期未処分剰余金は、内部留保の取り崩しなどで黒字を確保する。
保有株式については、市場価格が帳簿上の価格の5割以下に下落すれば会計処理ルールによって損失処理が必要になる。同社は一部の株式について下落率が5割未満でも処理した。その結果、3月末の含み損は1000億円程度に減少した。
含み損処理の原資には約900億円の不動産売却益をあてるほか、準備金などの内部留保を取り崩して充当する。ソルベンシーマージン(保険金支払い余力)比率は健全性の基準値である200%を上回り、昨年9月末の445%とほぼ同じ水準を維持したとみられる。
同社は3月に基金(株式会社の資本金に相当)を1500億円増やして自己資本を拡充し、内勤職員数を1年前より約860人減らすなど経営改善策を進めている。