財務省は26日、投資家を対象にした国債投資家懇談会の初会合を開いた。同省では、証券会社の担当者を集めた国債市場懇談会を開催しているが、投資家側の銀行や生保など金融機関の市場のニーズにも耳を傾けるのが狙い。5人の学識経験者のほか9社の金融機関の債券投資担当者が出席し、意見交換した。
この日の会合では、今月からのペイオフ解禁によって、資金が定期性預金から普通預金に流れていることで、国債も短い期間で保有しなければならない状況にあるとの現状報告があった。一方で、40年、50年の超長期債を求める声も出たという。廃止の方向で検討が進んでいるシンジケート団についても賛否が分かれた。
このほか、来年1月から販売予定の個人国債について、予定している10年債の変動金利制導・ネどの商品性に関する質問が相次いだ。また、来年度にも個人国債をインターネット上で販売開始されるなどとした一部報道について、財務省理財局の村尾信尚国債課長が、「システム設計その他に準備が必要。中長期的に検討している」と説明。
既に関連法案が国会に提出されている長期金利と短期金利とを交換する金利スワップ取引の導入についても、「フランスなど欧米では、法律の制度を整えた後、7、8年の長い期間をかけて準備を進めた。日本としてもこれから態勢整備に入るという段階だ」とし、取引実施にはさらに時間がかかるとの見通しを明らかにした。