アルゼンチン国会の下院は25日未明(日本時間同午後)、司法判断により政府の凍結規制下にある定期預金の流出を防ぎ、判決確定後に払い戻しを認める「預金流出防止法」案を与党・正義党の賛成多数で可決した。
上院は24日夜に同法案を既に可決しており、中央銀行は官報による即日告示を待って、銀行の営業停止を解除する。営業は26日にも再開される見通し。地元経済紙は、当初は振り替えや公共料金の扱いなどにとどまり段階的に再開される見込みだとしている。
同法は、連邦控訴裁判所で確定判決が出るまでは、預金の引き出しを禁止している。預金者の訴えは連邦裁判所で扱い、地裁には認めず、最高裁で係争中の案件も連邦控訴裁に回す。高齢者や重病者には引き出しを認める。
中銀によると、過去数カ月の裁判所の決定で預金者2万1568人が計24億7700万ペソを引き出したため、銀行が流動性危機に陥っていた。(共同)