みずほフィナンシャルグループのシステム障害で、給与などの振り込みが多い25日や連休が絡む月末の決済を控え、ファッションビル経営のパルコ(東京)が取引口座を他行に変更するなど、各社の自衛策が拡大していることが23日分かった。一方で、障害に伴う企業側の経費増加も止まっていない。
パルコは毎月2回、入居テナントから預かっていた売上金をみずほの口座に返すが、このうち1400社分を三井住友銀行に変えた。同社は「変更は5月末までの一時的措置」としているが、システム不安が長引けば、他社にも同様の動きが広がる恐れもある。
JR東日本系で駅ビル経営のルミネ(東京)は、25日がテナントとの決済日だが、前倒しで23日に実施。カード会社のダイエーオーエムシーは、次の決済日が連休の谷間の30日になるため、社内に対策本部を設置し、異常事態に備えている。
一方東京電力では、通常は検針員が巡回して各戸に配布する電気料金領収書に代わり、23日も9万9000件の領収書をはがきで発送。累計が64万件となり、郵送料だけで3000万円を超すため、みずほ側に請求を検討中だ。
東京、関西、中部の各電力と東京ガス、NTT東西、KDDIの主要なエネルギー・通信7社の未入金額は、概算で215億円に達している。