民間調査会社のマルチメディア総合研究所が23日まとめた01年度の国内パソコン出荷台数は、新規需要の頭打ちに加えて景気低迷が響き、前年度比13・2%減の1214万台だった。前年度割れは97年度以来4年ぶり、2ケタ減は95年度の調査スタート後初めて。
02年度の出荷台数は1200万台を予想。単価は液晶など部材価格の上昇により、アップか、横ばいに転じると分析している。2年続けての出荷台数の前年割れと単価上昇は、調査開始以来、初めて。価格を下げながら需要を拡大してきたパソコン市場が“曲がり角”を迎えたことを浮き彫りにした形だ。
01年度は11月に、マイクロソフトのパソコン用OS(基本ソフト)の最新版「ウィンドウズXP」が登場したものの、店頭販売が不振で下期のパソコン出荷台数は前年度同期比15・4%減と落ち込んだ。平均単価は同1万1500円下がり、15万6500円だった。
メーカー別シェアではトップのNECが21・7%、2位の富士通が20・8%。両社の差は00年度の2・9ポイントから0・9ポイントに縮まった。また、00年度に4位だったソニーは、テレビ機能を搭載しデザイン力に優れた「バイオW」のヒットで日本IBM(7・7%)を抜き、3位(12・7%)にランクアップした。【熊谷泰】