みずほフィナンシャルグループのシステム障害に関連し、大口顧客の東京ガスは23日、みずほがシステム統合以前の3月、ガス料金の口座振り替え・引き落としのテストに失敗していたことを明らかにした。さらに1月にもテストを要請したが断られたとも主張している。しかし、みずほグループの持ち株会社「みずほホールディングス」広報部は、東京ガスの主張を否定し、当事者同士の言い分が異なる状況になっている。
東京ガスによると、同社は3月下旬、新銀行に合わせた形式で料金請求データのサンプルを持ち込み、テストしてもらったが、引き落としできなかった。このため、東京ガスは当面、旧銀行向けの形式でデータを持ち込むことにしたという。
これに対し、みずほは「1月にテストを要請されたのを断ったり、3月下旬にテストした事実はない。ガス料金の引き落としテストは(みずほで)独自に実施しており、その際には問題はなかった」と全面反論している。
今回の口座振り替え処理では、みずほの顧客企業に対する事前説明が不足していたほか、独自の形式で料金請求データを持ち込む企業への対応が不十分だったため、データが受け付けられないなどのエラーが続出。4月1日の引き落とし処理が遅れ、2日以降も連鎖的に遅延し、未処理件数は一時、約250万件に達した。東京ガスでは22日現在でも、約22億円の入金が確認されていないという。