竹中平蔵経済財政担当相は22日、日本経済新聞社が主催するシンポジウムで基調講演し、公共投資の規模を「今後5年で1989-90年の水準に抑えていく」との考えを示した。国民経済計算ベースでは現行規模に比べ2-3割の削減となる。竹中経財相はこの水準を当面の目標に「全体の公共投資を緩やかに抑制し、効率的な配分を進める」と強調した。
公共投資の規模の削減をめぐっては、経済財政諮問会議が中期経済財政展望の原案で数値目標を設定。2006年度の対国内総生産(GDP)比を「現在の5%強からその4分の3程度をめどに引き下げる」とした。だが、自民党で反発が強まり、最終案で数値目標を削除した経緯がある。
国と地方を合わせた一般政府の公共投資額は89-90年度は21兆円台だったが、その後に急増し、93年度以降は30兆円前後で推移している。竹中経財相は中期展望に盛った「景気対策で大幅に追加される以前の水準」との目安に触れながら、公共投資の2-3割削減を当面の目標に掲げる意向を示した。