金融機関に口座を開設したり大口取引をしたりする顧客の身元を確認するよう義務づける新法が、22日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。政令で定める大口取引の範囲は200万円超とする予定。金融機関は本人と確認した記録を7年間保存する義務を負う。金融庁は来年1月に施行する考えだ。
「金融機関による顧客の本人確認法」の対象は銀行、信用金庫、信用組合、証券会社、貸金業者、郵便局などでの取引。送金や金融商品の換金などが中心となる。確認する手段として運転免許証、健康保険証、パスポートなどを想定している。金融庁は本人確認の事務を怠った金融機関を立ち入り検査したり是正命令を出したりする。命令に違反した場合の罰則も整備した。
法整備は昨年9月の米同時テロがきっかけとなった。テロ資金の受け皿となる口座は仮名や借名が多いとみられるため、確認の事務を厳しくする。