(回答先: 為替相場に「影響せず」=G7共同声明で市場関係者(時事通信) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 21 日 17:30:16)
【ワシントン20日近藤歩】
ワシントンで開かれていた先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は二十日午前(日本時間二十一日未明)、共同声明を採択し、二日間の日程を終えて閉幕した。
声明は世界経済について「数カ月前より明るい見通しになった」とし、昨年九月の中枢同時テロ以降、予想以上に早く立ち直った米国経済を中心に、順調な回復ぶりを確認した。日本については「各国は健全なマクロ経済政策と構造改革を実行する責務がある」とし、間接的な表現ながらも徹底した構造改革を進めて景気回復を実現するよう求めた。
声明はまた、不安定な中東情勢による原油価格の上昇が、世界経済の下降リスクになっていると明記し、価格安定の重要性を盛り込んだ。経済危機が続くアルゼンチンに対しては深い懸念を表明。国際通貨基金(IMF)と協調して改革を進めることを支持した。
声明はこのほか、テロ資金根絶に向けた各国の取り組みを継続しつつ、G7以外の国にも行動計画の推進を呼び掛けた。為替市場については「引き続き注視し、適切に協力していく」との表現にとどめ、現行水準を事実上容認した。
二日間の会議の中で、塩川正十郎財務相は日本経済について、三月末の株価回復で「金融危機」を回避したことや、金融庁の特別検査を通じて不良債権処理が進展していることなどを説明。先行減税も視野に、六月に(1)産業再生(2)税制改正(3)規制緩和(4)不良債権処理−の四つを柱とした経済活性化策をまとめる方針を表明し、構造改革を進めて景気回復に全力を挙げる考えを強調した。
速水優日銀総裁も、大胆な金融緩和措置を継続して市場に潤沢な資金を供給、政府の構造改革を金融政策面から支援していく方針を示した。ただ、景気回復の遅れは決定的で、G7の中で日本経済だけが取り残された格好だ。
■共同声明の骨子
一、世界経済の数カ月前より明るい見通しを確認。ただ、原油価格上昇などのリスクは残る。
一、G7各国は健全なマクロ経済政策と構造改革を実行する責務がある。
一、為替市場をよく注視し、適切に協力。
一、テロ資金対策で、G7以外の国々も含めた行動計画を推進。
一、アルゼンチン情勢を深刻に懸念。同国と国際通貨基金(IMF)の共同行動を支持。
(アメリカ総局)