ワシントンで開かれていた国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会は20日、日本について「銀行および企業部門の改革のための断固たる措置とデフレ終結に寄与する金融緩和」が必要だと指摘、不良債権問題の抜本的な解決を求めるなどとした共同声明を採択して閉幕した。
声明は、世界経済について「顕著に改善し、現在進行している世界的な回復を促進することが各国政府の課題」とし、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明と同様に、世界全体の景気回復を確認する内容になった。
混迷が続く中東情勢については「情勢の悪化に留意する。石油市場の安定も重要」とし、上昇傾向が続く原油価格に言及した。
経済危機下のアルゼンチンには「国際金融機関から支援の供与を受けられるような経済プログラムに合意するため、当局が迅速に行動することを強く促す」とし、IMFを中心とした国際的な金融支援が受けられるようなアルゼンチン国内の整備を要望した。
通貨金融委は、新興国が巨額の債務を抱えた場合の債務削減方法についても議論し、IMFが制度面での検討を引き続き行うことになった。
次回会合は9月28日にワシントンで開催する予定。(共同)