アルゼンチンからの報道によると、同国の中央銀行は19日、すべての銀行の営業を週明けの22日から停止させると発表した。同国では、預金引き出しの殺到で銀行の流動性危機が起きており、中銀は既に18日、カナダ資本のスコシアバンク・キルメスを30日間の営業停止としている。
同国では、政府が昨年12月に導入した預金凍結措置について最高裁が今年2月に違憲判断を下したため、預金引き出しが急増、銀行の手持ち資金が不足する状態になっており、営業を停止せざるをえなくなった。
政府は、銀行の定期預金を国債に交換する法案を週明けに国会に提出する予定で、営業停止措置は上下院で法案が可決されるまで続く見通し。同日の発表を知った市民らは預金引き出しのため、各銀行の窓口に長蛇の列をつくった。
すでに営業停止になったスコシアバンクでは預金者が問い合わせに殺到、労働組合は大会を開き対応策の協議を始めた。親会社のノバ・スコシア銀行は、政府の金融政策が安定するまで、資本注入要請には応じないとしており、売却・撤退は必至とみられている。
同国は89年にも銀行預金の国債との交換を実施している。また国際通貨基金(IMF)と金融支援再開の交渉中だが、州政府の赤字削減などをめぐり難航しており、合意の見通しは立っていない。(リオデジャネイロ共同)