大規模なシステム障害起こしたみずほフィナンシャルグループのみずほ銀行とみずほコーポレート銀行は19日、新しい商品の開発・販売を、来年3月末まで全面的に凍結する方針を固めた。新たな障害発生の可能性を避けるための措置。不良債権処理など後ろ向きの懸案に追われるなか、新商品の開発は経営戦略上、重要な位置を占めており「ライバル行に出遅れかねない」との懸念も出ている。今回のシステム障害は、同グループの業績に中長期的な打撃を与える可能性が出てきた。
凍結するのは、住宅ローンや教育ローンのほか、定期預金、投資信託、外貨預金などの全商品。当初、ローンやデリバティブ(金融派生商品)など一部商品については、開発・販売を続ける案もあったが、取り止めることにした。
みずほは03年4月に、旧第一勧業、旧富士、旧日本興業の基幹システムを含めほとんどを旧一勧のシステムに統合するが、営業店を含めた全面統合は04年4月となる計画だ。今回のシステム障害で、システムの復旧と原因究明、再発防止策などを徹底させるのに相当の時間がかかるのは確実。その後も、統合に向けて全力を傾注しなければ、再度トラブルが生じる可能性がゼロとは言えない。
さらに、03年4月の統合前に新商品を開発して投入する場合、まず旧一勧のシステムで使える商品を開発したうえで、旧富士のシステムにも適合する商品を別に開発しなければならず、非効率という。
大手行は、貸し出し金利の引き上げなどで、収益力を高めようとしている。異業種との金融複合商品を含めた新商品の投入も収益改善には不可欠なだけに、みずほにとって、「逆風」と言えそうだ。 【藤好陽太郎】
[毎日新聞4月20日] ( 2002-04-20-03:01 )