政府税制調査会(首相の諮問機関)は19日の基礎問題小委員会で、国民年金や厚生年金など公的年金の受給者が実際に年金を受け取る段階での課税強化を検討することで一致した。年金収入から一定額を差し引ける公的年金等控除を減額する方向。若年世代に比べ手厚い高齢者への税優遇を減らし、世代間で不公平???が生じないようにするのが狙いだ。
年金課税の強化を検討するのは、所得税の各種控除見直しの一環。年金収入で暮らす高齢者に負担を求めることになるため、実現に向けては曲折も予想される。
日本では公的年金への課税は、掛け金を支払う拠出段階と実際に年金を受け取る給付段階の双方に、税制上の優遇措置がある。
拠出段階では社会保険料控除により、本人が支払う保険料を給与収入などから差し引ける。給付段階では実際に受け取る年金から、公的年金等控除により一定額を課税所得から除くことができる仕組みだ。65歳以上で所得金額が1000万円以下の人には老年者控除(50万円)も適用される。このため同じ家族構成の給与所得者に比べ、税負担が低く抑えられている。