経営再建中のダイエーの2002年2月期決算は、店舗閉鎖などのリストラで総額5431億円の特別損失を計上し、連結ベースの税引き後赤字は3325億円に達した。巨額の金融支援で再建を目指すダイエーは依然として、本業の収益力の向上には課題が多く残されており、米ウォルマートストアーズの日本上陸も再建の行方を不透明にしている。
ダイエーの有利子負債はローソン株など資産売却の結果、グループのカード会社・ダイエーオーエムシー分を除いて1兆6640億円にまで減少した。今年度中に主力3行から債権放棄などの金融支援を受けることで、2003年2月には1兆2100億円に減少することになり、財務体質の改善は大きな山を越えることになる。
しかし、再建のかぎを握る本業の回復は遅れている。2001年度の既存店ベースの売上高は前年同期比9%減、来店客数は4%減、客1人当たり購入額を示す客単価も5%減と、消費者の支持が回復していない現状を浮き彫りにした。
今年度にダイエーは、積極的に店舗改装を進め、自前で収益力のあるテナントを育成して各店舗に出店するカテゴリーバリューセンター(CVC)の手法で脱総合スーパー路線を一段と推し進める戦略だ。改装店舗数は6月末までに、286店中99店舗に拡大する見通しで、改装効果を狙っている。しかし、ウォルマートが西友を傘下に収めて日本に本格進出を決めており、競争激化は必至だ。
(4月19日22:45)