【ワシントン=吉田透】
国際通貨基金(IMF)は18日、「世界経済見通し」を発表し、デフレから抜け出せない日本経済に強い懸念を示した。政府には今年度補正予算の編成を求め、不良債権処理のため金融機関への公的資金注入も視野に入れるべきだと指摘している。日銀には、デフレ圧力が弱まらない場合に一段の金融緩和を実施すべきだと求めた。
世界経済見通しは、19日からワシントンで開かれる7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の議論のたたき台になる。2002年の日本の実質経済成長率は、昨年12月時点の見通しと同じマイナス1.0%という予測。世界景気の回復を受けて米国など主要国の成長率予想は軒並み上方修正したが、日本だけ景気低迷が続いて取り残されるという判断だ。日本の景気について「底入れしたかもしれないが、内需の回復が持続する兆しはない。先行きの見通しは厳しい」と展望。輸出増などで2002年10-12月期に成長率はプラスに転じるとしながらも、2003年の実質成長率は0.8%にとどまるとみている。