塩川財務相は、日本国債の格付けがシングルAになるとは考えていない、と述べた。
参院財政金融委員会で大塚耕平委員(民主)の質問に答えたもの。
塩川財務相は、日本国債の格付けについて、「シングルAになるとは考えていない。何としても、名誉挽回したい」と述べた。
また、「何の基準で査定しているのか。日本やポルトガル、スペインをどう比べたらよいのか分からない」との疑問を呈したうえで、「これに対して、政府として、異議を申し立てている。シングルAになることを、我々は想像していない」と語った。
日本国債のリスクウエートに関して、塩川財務相は、「日本国債でリスクを取れなど銀行には言えないし、容認するわけにはいかない。きちっとした姿勢で臨みたい」と述べた。
また、財務省の尾辻副大臣は、新BIS規制下での日本国債のリスクウエートについて、1)新BIS規制が今の見直し案のまままとまる、2)日本国債の格付けがシングルAまで落ちる、3)監督当局の裁量でリスクウエートゼロの適用が認められているが、金融庁がその裁量も行わない−−−という仮定を置いたうえで、「今の時点では、これらの作業を見守る」と述べるにとどまった。
ただ、尾辻副大臣は、「新BIS規制とやや離れて国債発行当局として言うと、日本国債は、わが国政府が信用力を背景として発行し、元利払いを保証している金融商品だ。元利払い不履行のリスクはなく、そもそもリスクウエートゼロの商品だ」と述べた。