「スペインやポルトガルより下になってしまい、ボツワナと日本が同じという。ちょっと考えられない」。塩川正十郎財務相は17日午後の衆院財務金融委員会で、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による日本国債の格下げの判定基準に疑問を呈した。
S&Pによる日本の円建て長期債務の格付けは「AA−」で、もう一段階下がると「A+」となりボツワナや韓国と同じ水準になる。一方、スペインは「AA+」、ポルトガルは「AA」でいずれも日本より高い。
財務相は「決して(格付けを)否定するものではない。1つの努力目標として考えなければならない」としながらも、「民間格付け会社が何を基準にしているのか分からない。結論から言って(格下げは)残念だが、勝手に決めておいてこちらに説明もない」と指摘した。
さらに、「(S&Pは)格下げの際にコメントしているが、日本の新聞に書かれていることをそのまま写している。本当に調査しているのかと思う」と反論。そのうえで、「日本の新聞が自虐的にどんどん悪い、悪いと書く。それを基準にして格付けをしているような気がしてならない」と述べ、怒りは収まらない様子だった。