17日のロンドン外国為替市場では、ドルが主要通貨に対し下落した。米景気の回復期待でドル買いが広がっていたが、回復ペースは予想よりも緩やかとの見方から、ドルに調整の売りが強まったためだ。
みずほコーポレート銀行(ロンドン)のクロス・プロダクツ・グループ責任者、高木信一氏は、「ドル相場に織り込まれている米景気回復見通しは行き過ぎとみられて、調整が入っている」と指摘。さらに「中東情勢もなかなか解決しないこともドルの売りにつながっている」と語った。
ロンドン時間午前10時現在、ドルは円に対して1ドル=130円83銭と、前日遅くの131円23銭から下落。ユーロに対しても1ユーロ=0.8874ドルと、同 0.8831ドルから下がって推移している。またポンドに対しても1ポンド= 1.4440ドルと、同1.4393ドルから売られた。
ジュリアス・ベア・インベストメンツで約50億ドルの運用に携わるスノーボール氏は、米国で「経済指標の一部がやや軟調だった」ことから、「ドル安の方向に傾いている」と語った。
米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長は、金融政策と米経済見通しについて、この日に両院合同経済委員会で証言する。市場関係者らの間では、同議長が米景気回復は以前に見られた回復局面とは異なり、緩やかな回復になるとの見方を強調すると予想されている。
ロンドン 大河内 啓子Keiko Okochi, Beth Thomas、