経済産業省・資源エネルギー庁が17日発表した石油製品市況調査結果によると、ガソリンスタンド店頭でのレギュラーガソリンの平均小売価格が北海道、近畿、中部、中国、四国の5地区で前週比1円値上がりし、石油製品値上げの動きが全国に拡大した。パレスチナ情勢の緊迫化を受けて原油価格は高騰しており、同庁は「元売り各社による卸売価格の値上げが、全国的に影響し始めた」と分析している。
レギュラーガソリン1リットルの1リットル当たり平均小売価格(15日現在)は、北海道と四国が98円。近畿と中部、中国が99円。前週まで横ばい状態が続いていたハイオクガソリンも、関東、近畿、東北が110円、北海道109円と、いずれも同1円値上がりした。 【三島健二】
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今後の国内ガソリン価格について大手石油元売りは「今月からの国内石油減産効果が出ており、需要が増える大型連休に向け、前月比2、3円程度の値上がりもありえる」と期待している。
原油価格が2月後半から上昇に転じたにもかかわらず、国内ガソリン価格は値下がり基調が続いてきた。安売りのセルフ型スタンドが、値引き競争をしているためで、「原油調達コストは年初に比べ1リットル当たり5〜6円上昇したが、ガソリン価格に転嫁できていない」(石油元売り大手)。このため、しびれを切らした元売り子会社系スタンドが先導して先週以降、値上げに踏み切った。
ただ、原油価格上昇は米国の品薄感を反映した投機的なもので長続きしないとの見方もあり、業界がもくろむような価格引き上げには限界がありそうだ。【木下豊】