東京都心部のオフィスビル需給が緩和している。企業のリストラに伴う事業所や支店の統廃合が進んで空室率が上昇、賃貸料も下落し始めた。大阪や地方都市に比べると需給が引き締まっていた都心部だが、今秋から2003年にかけては新築オフィスビルの大量供給が始まるだけに今後も緩和傾向が続く公算が大きい。
大手仲介会社の三鬼商事(東京・中央)がまとめた都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は3月末時点で平均5.00%と、2年ぶりに5%台に乗せた。前月比で0.21ポイント上昇し、前年同月比では1.79ポイント高い。
生駒データサービスシステム(東京・港)の四半期ごとの調べでも3月末の東京23区の平均空室率は4.5%と、2001年12月末比で0.2ポイント上昇した。
オフィスビル市場では、空室率が5%近辺に達すると需給緩和局面に入った目安とされ、平均賃料も下落傾向にある。三鬼の調べで都心5区では3.3平方メートル当たり1万9837円と、前月比0.81%下落。生駒の調査(23区)でも同1万3970円と12月末に比べ1.5%値下がりした。