日本銀行の速水優総裁は17日の衆院財務金融委員会で、金融機関への公的資金の再注入問題に関して、「主要行の経営体力面の備えは、株価下落などから前年度に比べて低下していると思う」と述べ、「自己資本不足は起こり得ると思う。金融システムに疑問が示されればタイミングを失せず早めの対応が必要と思う」とあらためて強調した。公明党の上田勇氏への答弁。
総裁は、金融庁による大手行への特別検査に関して、検査対象にならなかった企業融資での不良債権や、新規に発生してくる不良債権、さらには既存融資債権が劣化していく可能性を指摘、「そう簡単に(不良債権)残高が減っていくものではない、今の状況では」と述べた。
そのうえで、融資先の「経済・財務状況を十分チェックしていく必要がある」と述べるとともに、「収益力の向上に向けて金融機関の自助努力が必要」と強調した。