日本銀行の速水優総裁は17日の衆院財務金融委員会で、銀行と生命保険会社の資本の持ち合いに関して、「銀行・生命保険会社間の資本の持ち合いが直ちに問題があるとは思わない」との見解を示した。民主党の古川元久氏への答弁。
総裁は、「日本の銀行の特色の1つとして、他企業の株を持つことが認められている」と指摘。そのうえで、資本の持ち合いでは、好不調が似ているもの同士の場合には問題もあるとの認識を示し、「金融機関同士、あるいは金融機関と企業との持ち合いに十分に注意してまいりたい」と語った。
さらに総裁は、公的資本の再注入問題に関して、「現時点で資本不足に陥っている先があるとは思えない」と述べるとともに、「金融システムが危機に陥ったら、タイミングを失せず早めの対応が必要」と繰り返し語った。
一方、谷口隆義財務副大臣は、2月8日の金融政策決定会合で、生保の動向にも十分に注意してほしいとの要望を行ったことを認め、「生保は金融市場の有力な参加者」と述べ、「一般的な観点で十分注意する必要があるのではないか」とあらためて説明した。