速水日銀総裁は、米格付け会社スタンダード・アンド・プア−ズ(S&P)による日本国債格下げについて、財政規律に対する市場の信認確保がきわめて重要だ、との認識を示した。
衆院財務金融委員会で竹下委員(自民党)の質問に答えたもの。
格下げについて、速水総裁は、「国債残高は、先進国中で最高水準に達し、日本の国債に対する市場の目は厳しい。このために、財政規律に対する市場の信認を確保していくことが極めて重要な課題だ」と述べた。
さらに、速水総裁は、1)世界第2位の経済大国、2)民間金融資産がGDPの3倍近い1400兆円近くある、3)毎月の経常収支は80年以降、GDPの3%前後の黒字が続いている−−ことなどを挙げ、経済の潜在力をもっている、と指摘。「金融システム面、産業面の構造改革を緩めず進め、こうした潜在力を引き出すことが、経済全体、ひいては国債への信認を高めることになる」と述べた。