個人の外貨預金人気に陰りが出ている。2001年末の外貨預金残高の伸びは前年比1.8%と、2000年末の同31.2%から急減速した。米国の相次ぐ利下げで、ドル預金の魅力が薄らいでいるためとみられる。
日銀によると、2001年末の外貨預金残高は約3兆9000億円。今年に入っても減速傾向は続いている。東京三菱、三井住友、UFJ、旧富士、旧第一勧業の5行の個人向け外貨預金は、2月末時点で約1兆8600億円と、1年前に比べて約1400億円減少している。
外貨預金で最も人気が高いドル預金の金利は急低下している。米国は景気下支えのため、昨年だけで合計11回、4.75%もの利下げを実施。東京三菱銀の場合、期間1年のドル定期の金利は昨年初めの年3.5%程度から、年1%程度まで下がった。為替変動リスクを考慮すると、投資対象としての魅力は急速に薄れている。
ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁で、これまで保護されてきた国内金融機関の外貨預金も保護対象外になった。