(回答先: みずほ、口座振替遅れ40万件処理急ぐ〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 15 日 12:38:35)
「何が何でも、現経営陣を守れ−−特に経営トップの前田社長が引責辞任に追い込まれることだけは絶対に回避せよ−−みずほグループ部内ではこうした檄が飛んでいるのです」
みずほグループ経営中枢幹部がこう言ってみせる。
ここで改めて説明するまでもないと思うが、前述のコメントに登場してくる“前田社長”とは、金融持株会社、みずほホールディングスの前田晃伸社長(CEO)のことを指す。
「みずほグループは4月1日以降、それまでの“3人CEO”制から“1人CEO”制に移行しており、CEO−−つまり最高経営責任者を名乗る経営者は、前田社長だけになっているのです。しかも前田社長は、正式に社長に就任する前から移行対策本部の本部長という立場にあったのです。こうした状況から考えて、前田社長が引責辞任に踏みきる、という最悪のシナリオも今後の展開しだいでは避けられない情勢になりつつある、といえるでしょう」(前述のみずほグループ経営中枢幹部)
そもそもみずほグループサイドとしては、今回の大規模なシステムトラブルに対する経営責任につては、3人の前CEO−−杉田力之、山本恵朗、西村正雄各特別顧問の退任を軸に決着を図る方針だった。
それというのも、一連のシステムトラブルの最大の原因が、みずほグループの基幹システムを、どのメーカーのものを採用するかの決定に遅れがあった、とされるからだ。
そして、その“最終決定権”を握っていたのが、前述の3人の前CEOだったのである。そうした意味で、前CEOが経営責任を取ることは当然といえば、当然のことだった。
「つまりみずほグループとしては、前田社長は基幹システムの決定にあたっては全くノータッチだった、というスタンスをとろうとしているのです。しかし本当にそうだったのかというと、大いに疑問は残るのです」(みずほグループ幹部)
そもそも前田社長は、山本前CEO(前富士銀行頭取)の“側近中の側近”と言われた人物だ。
「前田社長がそのポストに就くことが出来たのも、山本前CEOのゴリ押しとも言える強い後押しがあってのことなのです」(みずほグループ元役員)
そして前田社長は、3行−−第一勧銀、富士銀、興銀が統合作業を進めていくにあたって、富士銀サイドの現場責任者という立場にあったのである。
「つまり、前田社長は新銀行の基幹システムを決定するにあたって、極めて重要なポジションにいた人物なのです。一連のシステムトラブルに関する経営責任という点では、報酬カットぐらいでは逃げられないでしょう」(みずほグループ経営中枢幹部)
そしてこうした“見方”が、みずほグループ内に広がりつつあることも事実だ。
「これに対して慌てたのが、旧富士銀行グループなのです。彼らは前田社長が引責辞任に追い込まれることだけは絶対に避けようと、必死の工作を進めているのです。一方の旧第一勧銀、旧興銀はそうした“動き”を冷ややかに見ています。旧第一勧銀・旧興銀グループとしては、前田社長就任の経緯もあって、この問題に対しては極めて冷淡な対応をとっているのです」(前述同)
つまり、みずほグループ内部は今回のシステムトラブルをきっかけに、“前田派”と“反前田派”に二分されつつあると言えるだろう。
果たしてこの両派への分裂が、今後、経営責任問題をめぐる抗争劇に発展するのかどうか。要注目だ。