民事再生手続き中のスーパー、寿屋(熊本市)の粉飾決算疑惑で、不正経理が行われていたとされる1990年代後半に、本部監査室が年数回実施する内部監査の際、「G在庫」と呼ばれる架空在庫を故意に見逃していた疑いがあることが13日、複数の元社員の証言で明らかになった。
監査経験のある元社員は「本部で指示している架空在庫の存在を監査室は知っていた」と話しており、不正経理は会社ぐるみで行われていた可能性が一層高くなった。
証言によると、店舗監査は監査室の社員2−4人が各店舗で二百数十項目について調査。90年代後半には、架空在庫と気付きながらも、調査報告書には記載しなかった。本部の不正経理の指示をうかがわせる記述をした報告書は書き直させられたという。